『ふくしま式「小学生の必須常識」が身につく問題集』 特設ページ

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この本の特長(巻頭解説)目次&本文スキャン画像
   

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この本の特長
~巻頭解説~

 こんなにも常識のない子どもたち

 ある日、私は次の文について授業していました。
「六回表のホームランが試合の流れを変えた。」
 この「流れ」とはどういう意味か。それが問いでした。
 なかなか答えを出せず、つまずいている子がいます。答えは「展開」。たしかに、少し難しいかもしれません。
 ところが、その子は、実はそれよりももっと“前”の段階でつまずいていたのです。
 その子は、私にたずねました。
「あの……、六回表って何ですか。」
 私は耳を疑いました。野球を知らないのです。
 周囲の子にも挙手を求めたところ、なんと、ほかにもいました。よく知らないという子が。聞けば、彼らは、野球自体プレイしたこともないし観戦したこともない(実地でもテレビでも)、と言います。むろん、テレビではある程度、野球中継等が目に入っているのでしょうが、意識的に見てはいないということなのでしょう。
 女子だけではありません。男子にも複数いました。野球はよく知らない、という子が。
 こんなことでよいのでしょうか?
 よいはずがありません。
 冒頭の文については、「六回表」だけでなく「ホームラン」についても、今一つ理解できていない子がいました。
 これでは、「流れを変えた」の言いかえ練習どころではありません。具体的イメージが、まったくわいていないのですから。

 このように、常識を前提とした文章、常識がないと意味をつかめない文章は、いくらでもあります。
 その一方で、親や教師は、「この子は、その程度の常識は持っているはずだ」と思い込んでいます。
 というより、疑おうとしません。
 しかし、私は、そこを日々疑い続けています。
「もしかして、○○を知らない人、いる?」
 私の授業では、こういう確認が頻繁に行われています。
 そのたびに私は思うのです。
 この子たちに、「常識」を与えてあげたい、与えなければならない、と。
 こうして、この本が生まれるに至ったのです。

 常識とは? 知識とは?

 ここで、常識とは何かということを考えておかなければなりません。
 常識とは、一般の人間が当然に持つべき知識・判断のことです。たとえば、「赤信号では止まらなければならない」というのは、当然に持つべき知識・判断です。
 ただし、この「判断」のほうは、やや主観が入る場合もあります。たとえば、「家に入るときは靴を脱ぐべき」「図書館では静かにすべき」などというのは、常識的判断ではありますが、客観的な「事実」であると表現することはできません。こういう類の常識、すなわち意見や判断は、時代・地域・年齢・性別・立場・職業等によって微妙に変化します。この本では、そういった変化の余地が残る常識よりも、なるべく変化の余地が残らない、「事実」に近い常識を集めました(91ページは例外)
 事実に近い常識。
 それが、いわゆる「知識」です。
「赤信号は止まるべき」という以前に、「その色を赤と呼ぶ」という部分。
 言ってしまえば、「名前」です。
 その対象につけられた名前を知ること。
 これが、あらゆる「判断」の前提となるわけです。
 そもそも、「識」という字には、「しるし」という意味があります。
それが何であるか」を明確にし、類似した他の存在と区別し分けるための記号。それが「しるし」であり、「名前」であり、「知識」なのです。
 他と「識別」するための「標識」ということですね。
 山道に咲くその青紫色の花が「トリカブト」という名であると知っているかどうかは、生死を分けます(※猛毒の植物)。名を知らなければ、判断はできないわけです。
 そして、名を知るということは、世界を広げることでもあります。
 日本語では「米」「稲」「ご飯」などと複数の名を持つそれを、英語では通常、単にriceと表現します。稲作文化の日本では、それについての世界がアメリカなどよりも広がっていると言えるでしょう。
 もっと単純な話、「アメリカ」「フランス」「中国」「インド」などといった国の名前を何も知らなければ、それらは単純に「外国」という一つのくくりになってしまうでしょう。それらの名前を知らない人にとっては、アメリカもフランスも中国もインドも“存在しない”のです。彼にとって、そこには「外国」しか存在しません。
 他と区別するための名前を知るということ、すなわち知識を持つということがいかに大切であるか。
 お分かりいただけましたか。
 最近の教育界では、「知識の詰め込み」などと批判し知識を軽視する向きがありますが、とんでもないことです。
 知らなければ知らないほど、世界は狭くなる。
 こんなに痛ましいことはありません。
 知れば知るほど、世界が広がる。
 こんなに素晴らしいことはありません。

 なぜ、「常識」が思考力の土台となるのか?

 少し違う角度から考えましょう。
「大人になる」とは、どういうことでしょうか。
 それは、一つには、「抽象的思考ができるようになる」ということを意味します。
 スポーツはなぜ人を勇気づけるのか。友だちとはどういうものか。はたまた、正義とは何か。こういったことを考えられるのが、「大人」です。
 子どもは10歳前後からそういう思考がグンとできるようになります。中学受験などでも、そういう思考力(抽象化力)こそが試されるわけです。
 そのときに欠かせないのは、実は、具体化力です。
 スポーツはなぜ人を勇気づけるのかを考えるとき、「たとえば野球では……」と具体化せずに考えることは困難です。人は、抽象的思考をしようとするとき、多くの場合まずは具体化のステップを踏むのです。
 野球を知らなければ、その分だけ、「スポーツとは」という抽象的思考もしづらくなるということです。
 具体化は、比喩の場合もあります。
「あの子はクラスの太陽だ」というのは、「あの子はクラスを明るくしてくれる」という抽象的思考を比喩で表現したものです。「太陽」と言い表すことによって、その人の明るさをより明確に表現できます(正確には“明るさ”自体も比喩です)。
 比喩は、絵が浮かびます。形があります。具体的です。
 具体的なものには、「名前」があります。
 他と区別・識別できる名前を有すること、それを「具体的」と言います。野球も太陽も、同じです。
 もうお気づきですね。
 そうです。
「知識」とは、思考を支えるものなのです。
「知識」があればあるほど、私たちは具体的にものを考えることができます。具体例をたくさん持っている人は、それを抽象化することもたやすくなります。「外国」しか知らない人は、「外国」を説明できません。「アメリカ」「フランス」「中国」「インド」を知っているからこそ、「外国」という抽象概念を説明できます。
 今、知識は思考を支える、と書きました。
 これは、言いかえれば、「知識は読み書きを支える」ということでもあります。
 書く力、読む力。それは、イコール思考力です。
 知識が多い人ほど、読む力も書く力も高くなるのです。

 この本は、そんな知識の中でも、最低限身につけておくべき知識、すなわち「常識」を集めました。
 その価値をかみしめながら、じっくりと、解き進めていってほしいと思います。

 この問題集の対象、および使い方

 この問題集は、おおむね小学4年生程度の子が楽しみながら解けるレベルの問題が多くなっています。
 ただし当然ながら、1~3年生や5・6年生にも十分役立ちますし、中学生・高校生あるいは大人でさえもハッとするような、有益な内容が満載です。
(以下略)

   

目 次
全96ページ

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Part1 身の回りの常識  
9 得点記録表 本文画像09
10 「時間」の常識(1)昨日・今日・明日  
13 「時間」の常識(2)時・分・秒
15 「空間」の常識(1)上下  
17 「空間」の常識(2)前後・左右  
19 「空間」の常識(3)A4・B5  
21 電話の常識 3桁番号サービス  
23 スポーツの常識(1)野球1  
25 スポーツの常識(2)野球2  
27 スポーツの常識(3)サッカー、剣道、相撲 本文画像2728
29 スポーツの常識(4)オリンピック  
31 数量の常識 重さ・大きさ・速さ  
Part2 日本の常識  
33 得点記録表  
34 日本語の常識(1)ひらがな・カタカナ  
37 日本語の常識(2)漢字1  
39 日本語の常識(3)漢字2  
41 日本語の常識(4)原稿用紙  
43 日本語の常識(5)和語  
45 日本語の常識(6)決まり文句  
47 日本語の常識(7)親族の呼び方  
49 日本の常識(1)人名  
51 日本の常識(2)都道府県名  
53 日本の常識(3)歴史 本文画像5354
55 日本の常識(4)大震災 本文画像5556
57 日本の常識(5)遊び:囲碁・将棋  
59 日本の常識(6)住宅:和室  
61 日本の常識(7)国民の祝日  
63 日本の常識(8)行事食  
Part3 視野を広げるための常識  
65 得点記録表  
66 地球の常識(1)地球の歴史  
69 地球の常識(2)太陽系  
71 世界の常識(1)国名   
73 世界の常識(2)人口  
75 メディアの常識(1)テレビ 本文画像75
77 メディアの常識(2)新聞  
79 メディアの常識(3)インターネット  
81 メディアの常識(4)ネットコミュニケーション  
83 文学の常識 文学賞・短歌と俳句 本文画像83
85 音楽の常識 楽器  
87 学校の常識 小・中・高・大  
89 応用(1)復習問題  
91 応用(2)意見・判断としての常識  
93 応用(3)比喩の活用