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【類書との違い】 昨今、「文章術」のような名を冠した本が多く世に出ています。 それらの大半は、片々の技術の集合体です。 読点「、」の打ち方、「が」と「は」の使い分け、はたまた敬語の使い方に至るまで、細部表現をレベルアップさせるための技術が取り上げられています。 むろん、それらは有益です。すぐ使えます。役立ちます。かなり大切な内容も含まれています。 しかし、何かもの足りない。どこかテクニックめいており、「枝葉」の感じがする。 「書けるようになった!」という達成感には、届かない。 ――それは、なぜでしょうか? 答えは簡単です。 そこには、「全体」を構成する技術が、欠落しているのです。 文章全体の根幹=骨組みを構築する、そのためのスキルが、ないのです。 この本は、骨組みを築き上げるための言語技術を伝授する本です。 ふくしま式200字メソッドをマスターしさえすれば、あらゆる文章※の「全体」を構築できるようになります(※意見・主張を含む文章)。 そして実は、同様にあらゆる文章を「読む」力も、身につきます。 全体を「書ける(構築できる)」ということは、イコール、全体を「読める(再構築できる)」ということです。 そのための方法はたった1つ。論理的思考力を磨くことです。 これこそが文章術の本質なのです。 主な読者対象は小・中学生の子を持つ親の方々、及び学校や塾の先生方ですが、高校生やビジネスマン、あるいは一般の大人が読んでも当然、役立ちます。 とくに今回は小論文も取り上げており、幅広い読者を想定した本であると言えます。 【他の自著との違い】 いま、論理的思考力という言葉を見て、「なんだ、これまでの本と同じなのか?」と思った方もいるかもしれません。 たしかに、根本的技術は同じですから、類似した記述もあります。 しかし、今回は、これまでの本とは「目標」が異なります。 これまでは、個々の技術が中心でした。 論理的思考力を構成する「3つの力」のそれぞれを磨き上げることを目標とし、そのための綿密なステップを取り上げてきたのが、これまでの本です。 そのため、書く文章も長くて100字といったところでした。 一方、今回の本は、個々の技術を総合的に発揮するところに主眼が置かれています。 一つひとつのスキルや1文ごとの綿密な書き方を磨くというよりも、全体をバランスよく整えながら長い文章を構築していく。これがメインです。 「3つの力」を総合的に発揮して書いていくという意味では、これまでの本・問題集などとくらべれば「応用」に当たると言えるかもしれません。 しかし、安心してください。 この本では、「いつのまにか自動的に」全体を作り上げられるようになる無理のないステップが、用意されています。 ひごろの授業を通して私が知り尽くすに至った、子どもたちのミスの事例なども豊富に取り上げながら、手ほどきしています。 「ふくしま式」のいわば真骨頂である「かゆいところに手がとどく」本であるということは、今回もなんら変わりません。 200字をマスターした上で、400字、800字といった長文を作り上げていくための方法も、しっかり取り上げています。 これまでは、なんとなく手探りで書く(書かせる)しかなかった「読書感想文」や「小論文」の書き方についても、骨太な手法を紹介しています。 この本をバイブルとすることによって、あなたのお子さんの、あるいはあなたご自身の「書く力」が磨き上げられるということを、私は確信しています。 ふくしま国語塾 主宰 福嶋隆史
“ふくしま式200字メソッド”で「書く力」は驚くほど伸びる! 目次 はじめに 「書く力」が自動的に身につく〝たった1つの方法〟 序 章 “ふくしま式200字メソッド”で、 どの子にも目覚ましい成果が! 01 最初は皆、書くのが大の苦手だった! ……………… 24 ◆ちょっとした課題にも大苦戦─A君の場合 ◆子どもっぽい文章に思わず苦笑─Bさんの場合 ◆小学校低学年のときから通塾してはいたが……─Cさんの場合 02 驚くべき成果が上がったのには理由がある ……………… 29 ◆3人揃って超難関校に合格! ◆「書く力」が身につけば学力全体が伸びる! ◆なんと入試本番中に合格を確信! 03 「型」を制する者は文章を制する ……………… 34 ◆今こそ最初の一歩を踏み出そう 第1章 こんなにシンプル! 「200字の型」は3つの文でできている 01 大切なのは「内容」? それとも「方法」? ……………… 38 ◆これでは「書く力」がつかないのも当たり前 ◆「型」に秘められた3つのメリット 02 ほとんどすべての文章に生かせる 「ふくしま式200字メソッド」 ……………… 43 ◆ズバリ、最大の特長はここだ! ◆「分かる」の本当の意味、ご存じですか? 03 なぜ「ふくしま式200字メソッド」だと 文章に説得力が生まれるのか? ……………… 50 ◆カギは「対比」にあり ◆人は「対比と選択」を繰り返している 04 「限定」するからこそ書き手は「自由」になれる ……………… 54 ◆ちまたの「200字作文」と、どこが違うのか? ◆「芸術」と「技術」の決定的な相違点 05 「国語力=論理的思考力」は 3つの力で構成されている① ……………… 60 ◆「国語力」の本質とは何か? ◆「学習指導要領」の分類と異なる点 06 「国語力=論理的思考力」は 3つの力で構成されている② ……………… 66 ◆「知っている」から「使いこなせる」へ ◆3つの力には、それぞれこんな特長がある 第2章 ズバリ、これが “ふくしま式200字メソッド”の 基本ステップだ! 01 「型」を正しく使えば、 年齢を問わず〝いい文章〟が書ける! ……………… 74 ◆えっ、これが中1の書いた文章!? ◆最初は100字程度でもOK 02 「ふくしま式200字メソッド」は この手順で進めていこう ……………… 79 ◆まずは先の2文から手をつける ◆「パーツごと」に考えるのがポイント ◆最後に3文めを決めれば完成! 03 文章のレベルは「対比の観点」で決まる! ……………… 89 ◆レベルの判断基準は3つある ◆どの観点のレベルが高いですか? 04 「対比の観点」のレベルを グンと高めるとっておきの方法 ……………… 94 ◆考え方・やり方は意外に簡単 ◆この力を発揮できれば読み手も納得! 05 手順に沿って進めただけで、 こんなにハイレベルな文章に! ……………… 102 ◆ここを工夫すれば文章の流れはより自然になる ◆主張はマイナス評価でもかまわない 第3章 ここがポイント! 工夫ひとつで文章の“質”はこんなに高まる 01 ついやってしまいがちな 間違い・失敗例とその修正方法① ……………… 108 ◆あなたは、きちんと教えられますか? ◆ここでも3つの力が絶大な威力を発揮! ◆慣れないうちは型を崩してはいけない 02 ついやってしまいがちな 間違い・失敗例とその修正方法② ……………… 116 ◆パーツごとに区切って文章の構造をチェックしよう ◆まずは「型どおり」に書く──それが大原則 03 実際に「型」に沿った形で 200字の文章を書いてみよう ……………… 123 ◆もう、武器は揃っている! ◆観点を増やせば、おのずと文章は長くなる ◆「主語・述語」という考え方にとらわれすぎない 04 文章の〝質〟がさらにアップ! 「型を崩す」=「新しい型を作る」方法① ……………… 131 ◆「具体化」をすれば、より主張が伝わりやすくなる ◆「型」さえ意識していれば、何があっても大丈夫! ◆ちょっと手を加えるだけで200字が300字に! 05 文章の〝質〟がさらにアップ! 「型を崩す」=「新しい型を作る」方法② ……………… 141 ◆プラスをマイナス、マイナスをプラスに ◆どちらの文が分かりやすいですか? ◆「結論→理由」という型で書くときの注意点 ◆細かな表現は少しずつ身につければいい 第4章 200字が書ければ、400字も800字も ラクに書ける!─作文・読書感想文 01 まずは「型」に沿って骨組みを作る─作文 ……………… 152 ◆「量」は書ける子どもでも「質」となると…… ◆作文、読書感想文を書く上で最も大切なこと ◆心情の「変化」に注目しよう 02 骨組みに肉づけをして分量を増やす─作文 ……………… 159 ◆「型」があるから内容がブレない! ◆対比的心情変化が描けていれば合格 03 あらゆる物語文にあてはめられる 万能の2ステップ─読書感想文 ……………… 166 ◆物語文には一定の法則性がある 04 [ステップ①]対比的な心情変化を読み解き、整理して書く ……………… 170 ◆つねに「反対語」を意識して読もう ◆基本的な骨組みは作文と同じ 05 [ステップ②]自分が経験した対比的心情変化を、 物語と重ね合わせて書く ……………… 176 ◆取り上げるのは身近な話で十分 ◆強固な骨組みがあるから、いくらでも書ける! 06 もう、あらすじだけの読書感想文からは卒業しよう ……………… 184 ◆主役はあくまでも2つめのステップ ◆まず読むべきは物語文か? 論説文か? 第5章 200字が書ければ、400字も800字も ラクに書ける!─記述式問題・小論文 01 「ふくしま式200字メソッド」を 使えばスラスラ解ける!─記述式問題 ……………… 190 ◆やるべき手順はいたってシンプル ◆一見、難しい問題に見えるけれど…… ◆時間がないときには、ここに注目 ◆とにかく「型」を思い浮かべる─それが近道 02 自分の意見・主張を入れた 論理的な文章をどう書くか?─小論文 ……………… 200 ◆さしあたっての字数の目安は800字 ◆まずは筆者の主張に対する立ち位置を決めよう 03 「ふくしま式200字メソッド」の 真価を存分に発揮!─小論文 ……………… 207 ◆「型」があれば長い文章でも安心! ◆ワインとワイングラス、優先すべきはどちら? 第6章 ここまで押さえれば、 「書く力」は万全なものになる! 01 あらためて〝ふくしま式〟の「本当の強み」とは何か? ……………… 216 ◆求められるのは「漏れがなく、ダブりのない」状態 ◆なぜ、3つの力で万全と言えるのか? 02 3つの力を活用すれば一生モノのスキルが手に入る! ……………… 224 ◆3つの力の構造をおさらいしておこう ◆さあ、あとは実践あるのみ! おわりに シンプルな技術だからこそ、今すぐ使える! はじめに 「書く力」が自動的に身につく〝たった1つの方法〟 この本を手にしたあなたは、きっと次のような悩みをお持ちのことでしょう。 「うちの子はとにかく文章が書けません。わが子ながら、ため息が出ます」 「小学校の授業参観の日は、たいてい恥ずかしい思いをします。廊下に貼り出されたわが子の文章が、ほかの子とくらべてあまりに見劣りするんです」 「そもそも、量が書けません。10分かけてやっと2~3行、といった感じの子です」 「私も作文は苦手だったけど、それに輪をかけたように苦手なのが、うちの子なんです」 「書くのは好きらしいんです。でも、読んでみると、改行もせずダラダラと書きなぐっているだけだったり……およそ、読める文章じゃありません」 「国語のテストで記述式の問題が出ると、うちの子はもうお手上げです。答案用紙は、たいていの場合、白紙です。ときには何か書いた跡があるんですが、結局は全部消しゴムで消してあったりして……。本人も、自分の文に自信が持てないんでしょうね」 「新聞のコラムの書き写しとか、いろいろと話題の方法は試してみるんですけど、書けるようになったという実感は、子どもにも私にも、まったくありませんね」 「書く力が伸びることをうたった本を数冊読んだのですが、なかなかうまくいかず、もう半ばあきらめています」 ――無理もありません。 すべてが、間違っているのです。 家庭学習も、学校の授業も、塾の授業も。 今のやり方のままでどんなに文章を書き続けても、効果はありません。 親は叱咤激励するだけ。教師は赤ペンであいまいなコメントを、あるいはお世辞を書くだけ。 そこには、「書き方」というものへの意識がありません。 そればかりか、「書き方なんて要らない、とにかく自由に書かせることが大事なんだ」などと考えるふしがあります。 最近では、某大手進学塾でさえ、「あなたなりの考えを自由に書きましょう」などという設問を前面に押し出した公開テストを宣伝しています。 ――今、こう思った方もいらっしゃるかもしれません。 「そんなことはない。私は書き方を意識して教えているぞ」。 たしかに、心ある一部の親・教師は、それなりの方法論を学び、生かそうと努力してはいます。〝書き方〟をまとめた本を積極的に読むなどして、頑張っています。 しかし、その方法論、本当に役立っていますか? 着実な成果が上がっていますか? お子さんは、目を見張るような文章を次々と書きましたか? そう問われれば、口ごもってしまうでしょう。 でも、大丈夫。 今あなたが手にしているこの本に書かれた方法を用いれば、それを実現できます。 私は、実際に見てきました。 夢中になって鉛筆を動かす、子どもたちの姿を。 そして、そこから次々と生み出される、目を見張るようなレベルの文章を。 なぜ、こんなに書けるのだろう。あれほど、「書くのがいやだ」「作文は苦手」と言っていた子が。 そう思い、感動し、授業中に涙が出そうになったことも多々あります。 文章を書く力がついた彼ら・彼女らは、もちろん、成績も上がっていきました。国語はもちろんのこと、他教科にも軒並み、好影響が出ました(具体的成果は序章で述べます)。 そういった成果を着実に生み出した「書き方」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。 それはズバリ、ふくしま式「200字メソッド」。 では、ちまたにあふれる「書き方」と、ふくしま式「200字メソッド」との決定的な違いは、どこにあるのでしょうか。 それは、端的に言えば、論理的思考の「型」をとことん追求しているということです。 「型」という言葉にアレルギーを持っている方、どうぞ安心してください。 自由を与えれば与えるほど、子どもは不自由になります。 自由を限定すればするほど、子どもは自由になります。 型は、個性を奪いません。 型こそが、個性を伸ばします。 この逆説の正しさを、実感を持って理解できたとき、あなたは変わります。 そして、あなたのお子さんが変わります。 もしあなたが学校や塾の先生であるならば、教室の子どもたちが変わります。 「激変する」と言っても、過言ではありません。 もう1つ。あなたは、こんな疑問をお持ちかもしれません。 「文章、文章と言うけれど、その『型』は、どんな文章にでも当てはまるんですか?」 お答えします。ほとんどすべての文章に、当てはまります。 感想・意見・主張などを含む文章でさえあれば、この型は万能です。 当てはまらない文章があるとすれば、それは、事実だけを淡々と書きとどめておくような記録文くらいでしょう。しかし、子どもたちが必要としているのは、そういう類の文章の書き方ではありません。 遠足や運動会の後に書くような作文、先生に提出する日記文、あるいは読書感想文。 読解問題で要求される記述答案、あるいは要約文。 どれも、何らかの感想・意見・主張をまとめていくものです(読解では書き手の主張)。 要するに、自己か他者の価値観を表すための文章です。 そういった文章であれば、すべて、この型で解決します。 ふくしま式「200字メソッド」の効力は、200字にとどまりません。少し応用するだけで、400字の文章でも、はたまた800字の小論文でさえも、自信を持って書けるようになるのです。 そんなはずはないと疑っているあなた。まずはページをめくってみてください。 その疑いの雲が急速に晴れていくのを、実感できることでしょう。
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