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         》》》 小学校教育が危ない! 《《《

     No.51  2007/2/21  著者:福嶋隆史

      著者HP http://www16.ocn.ne.jp/~wildcard/

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     No.51 危ない授業の見分け方(全6回の4回目)

     チェックリスト[3]こういう「形式」の授業は危ない!

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【 発行予定 】
チェックリスト[1]“教師の様子”で判断する「授業の危険度」
                          前 半  ←48号
                          後 半  ←49号
チェックリスト[2]“子どもの様子”で判断する「授業の危険度」←50号
チェックリスト[3]こういう「形式」の授業は危ない!     ←今 号
チェックリスト[4]こういう「内容」の授業は危ない!
                          前 半  ←52号
                          後 半  ←53号
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【 目 次 】
◇まえがき
◆項目11◆ 授業の終了時刻が守られているか?
◆項目12◆ 小さな文字がごちゃごちゃ書かれた画用紙や模造紙ばかり使って
      いないか?
◆項目13◆ 子どもが目的意識を持たないまま、延々と話し合い活動が続いて
      いないか?
◆項目14◆ 黒板を、教師だけが使っていないか?
◆項目15◆ 授業の中の「重要な部分」を子どもに任せてしまっていないか?
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◇まえがき

 今回は、「危ない授業の見分け方」特集の4回目。

 【危ない授業】とは何か?

 それは、

 ・子どもに学力がつかない授業
 ・出来る子は飽きてしまい、出来ない子は一層出来なくなる授業
 ・子どもが「楽しくない」と感じる授業
 ・子どもがどんどん「勉強嫌い」になる授業
 ・学校に行くのがつまらなくなる授業
 ・学級崩壊の火種となる授業
 ・いじめが生まれる素地となる授業

 である。

「点数表示」はあくまでも目安であるが、教師のみなさんには、自己採点の材
料として、あるいは研究授業を見るための基準として、活用していただきた
い。また、保護者の方にも、授業参観時に授業の良し悪しを判断する材料とし
て、使っていただけるものと思う。
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チェックリスト[3]こういう「形式」の授業は危ない!

◆項目11◆------------------------------------------------------------
授業の終了時刻が守られているか?
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 終わりのチャイムが鳴り始めたら、その1秒後から、子どもたちの集中力は
滝のごとく落ちる。そして、授業を延長する教師への反抗心が少しずつ沸き立
ち始める。学級崩壊への入り口だ。

 私は、4月最初の“出会いの日”、クラスの子たちに必ずこう話した。
「みなさんは、始まりの時刻をちゃんと守りなさい。時間になったら席に着く
 ということです。その代わり、先生は、終わりの時刻をきっちり守ります。
 特別な場合以外、授業の延長は一切しません」
   (特別な場合とは、学年合同授業や、遠足等の大型行事の場合のこと)
 そして私は、その約束を99%守った。

 一方で、子どもには「時間を守れ」と言っておきながら、自分は守らない教
師が、いかに多いことか! 自分の遅れについては、あれこれの言い訳でごま
かすのだ。「今教えていることは大切なことだから、3分延長します」だの、
「あなたたちが途中でおしゃべりしていたせいで遅れたんです」だの……
 おしゃべりが出るようなつまらない授業を展開した教師の責任は、放置され
たままだ。

<チェック基準>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マイナス1点……授業終了時刻が、1分延長された。
マイナス2点……授業終了時刻が、2分延長された。
マイナス3点……授業終了時刻が、3分延長された。
マイナス4点……授業終了時刻が、4分延長された。
マイナス5点……授業終了時刻が、5分以上延長された。
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◆項目12◆------------------------------------------------------------
小さな文字がごちゃごちゃ書かれた画用紙や模造紙ばかり使っていないか?
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 個人あるいはグループで、何かを調べさせる。その結果を、画用紙や模造紙
に書かせる。小さな文字、つぶれた文字、汚い文字、黄色などの薄いペンで書
いた読みにくい文字を、かまわずに書く子どもたち…
 それらを黒板に掲示し、書いた子を前に立たせて発表させる、教師。

 まず何よりも、分かりにくい。
 そして、あまりにも古めかしく、時代に逆行したやり方だ。

 当然、教室の後ろ半分の子には、よく見えない。いや、前でも見えない。
 子どもたちの集中力は、どんどん落ちる。
 加えて、発表している子どもの声が小さくて後ろに届かなかったりして、授
業はいよいよ“盛り下がる”。

 無論、悪いのは、汚い字を書く子どもたちではない。集中しない子どもたち
でもない。悪いのは、そのようなやり方を仕向け、集中できない環境を作っ
た、教師の方である。

 私なら、普通のB5ノート、あるいはA4程度の画用紙に書かせ、それを
「実物拡大機」で拡大し、プロジェクターを通してスクリーンに映像を写しな
がら、発表させる。非常に見やすく、子どもの集中力は急上昇。
 あるいは、紙に書かせた文章やイラストを、デジカメやスキャナで読み取っ
て、それをパワーポイント等で編集し、同様にスクリーンに映写しながら、子
どもたちに発表させる。少し手がこんでいるが、これはもう「プレゼン」だ。
 もちろん、パソコンそのもので原稿を書かせることもある。

 現代は演出の時代である。授業にも、演出が必要だ。

<チェック基準>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マイナス1点……画用紙や模造紙による「見にくい」発表方法依存率10%。
マイナス2点……画用紙や模造紙による「見にくい」発表方法依存率30%。
マイナス3点……画用紙や模造紙による「見にくい」発表方法依存率50%。
マイナス4点……画用紙や模造紙による「見にくい」発表方法依存率70%。
マイナス5点……画用紙や模造紙による「見にくい」発表方法依存率90%。
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◆項目13◆------------------------------------------------------------
子どもが目的意識を持たないまま、延々と話し合い活動が続いていないか?
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 話し合い活動それ自体を否定するわけではない。
 しかし、多くの話し合い活動は、ぐちゃぐちゃで、わいわいガヤガヤやって
いるだけ。研究授業でも、そんな場面をよく見る。いつ終わるの、と思う。
 子どもたちが、「今、何について話し合うのか」という明確な目的意識を持
っていないから、そうなる。
 いや、違う。
 教師が、「話し合いの具体的な目的」を、子どもたちに示さないからだ。
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 私なら、最初に「目的」「具体的作業」「時間制限」を明示する。
「まち探検で、どのルートを通るか決めます。決まったら、副班長が赤鉛筆で
 地図に線を引きなさい。10分以内に決めて、班長が見せに来なさい」

 具体目標がなく具体作業が伴わないような話し合いはそもそもやらせない。
 道徳などで話し合いをさせたこともほとんどない。「どうすれば友だちのよ
いところを探せるかな? 班のみんなで話し合ってごらん」なんていう曖昧な
話し合いは、絶対に、絶対に、させない。

(ただし、クラス全体での自由討論は、かなり行った)
 詳しくは→ http://www16.ocn.ne.jp/~wildcard/06-mysite-sokuseki.html

<チェック基準>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マイナス1点……具体目標、具体作業のない話し合いが10分以上続く。
マイナス2点……具体目標、具体作業のない話し合いが15分以上続く。
マイナス3点……具体目標、具体作業のない話し合いが20分以上続く。
マイナス4点……具体目標、具体作業のない話し合いが25分以上続く。
マイナス5点……具体目標、具体作業のない話し合いが30分以上続く。
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◆項目14◆------------------------------------------------------------
黒板を、教師だけが使っていないか?
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 黒板は、むしろ、子どもが使うものである。
 算数ならば、たとえば、筆算の答えを、子どもたちが次々に書いていく。
 社会ならば、たとえば、問題に対する意見や発見を、次々に書いていく。
 国語ならば、たとえば、作った詩を次々に書いていく。

 私は、特に授業参観では、子どもたち全員が黒板に何かを書く作業を取り入
れるようにしていた。そうすることで、見に来た親は、「ああ、我が子もがん
ばって授業に参加している」と意識することができる。また、「黒板に書く」
という緊張感を伴う作業によって、子どもたちは授業に一層集中する。そして
一方では、子どもたちが黒板の前で背伸びしたりしながら一生懸命チョークを
動かしている様子が、教室の空気を和やかにする。

 教師が、たくさんの文字を黒板に書きまくっている授業は、危ない。黒板に
文字を書いている時間が長い程、教師は子どもに背を向けているのだし。

(この項目は加点法でチェックします)
<チェック基準>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
プラス5点…… 全員の子が黒板を活用する場面が、数回ある。
プラス4点…… 多くの子が黒板を活用する場面が、数回ある。
プラス3点…… 一部の子が黒板を活用する場面が、数回ある。
プラス2点…… 一部の子が黒板を活用する場面が、1回ある。
プラス1点…… わずかな子が黒板を活用する場面が、1回ある。
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◆項目15◆------------------------------------------------------------
授業の中の「重要な部分」を、子どもに任せてしまっていないか?
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 学級会、委員会活動、児童代表委員会にいたるまで、「司会」を子どもがや
るのは、悪いことではない。
 しかし、「司会の方法」までをも、すべて子どもに任せている教師がいる。
 そういう会では、こんな発言が飛び出す。

司会:「あの〜……もう、40分も話し合いが続いています。そろそろ、結論
    を出したいのですが……多数決で決めていいですか?」
子A:「え〜? 多数決なんかしたら、負けるに決まってるしぃ……」
子B:「じゃあ、多数決で決めるかどうかを、話し合って決めたら?」
司会:「それじゃ、時間がありません。多数決でいいかどうかを、多数決で決
    めたいと思います」
子C:「???」

 こういうところは、教師が決めなければならないのだ。
 一定時間が経過したら多数決。これは、民主主義の大原則ではないか。

 なお、下記の基準はあえて曖昧にした。場面に合わせて考えればよかろう。
 ちなみに、上記の司会の例は、マイナス4点だ。

 ……そうそう。
 最もひどいのは、「これから、どんな勉強がしたい?」という質問を子ども
たちに投げかける授業である。
 授業内容を教師が決めなくてどうするのだ?!
 「学習指導要領」は、教師に「指導」を求めているのである。
 しかし、この「子どもに内容まで決めさせる方法」、非常に多く見られる。
 国語なら「単元学習」、算数なら「問題解決学習」といわれている方法だ。
 これらは、文句なしでマイナス5点。

<チェック基準>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
子どもに任せている部分の重要度に応じ、下記のように随時判断。
授業の「進行方法」に関する部分なら、マイナス1〜4点の範囲で減点。
授業の「内容」に関する部分なら、マイナス3〜5点の範囲で減点。
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次号に続く。

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