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         》》》 小学校教育が危ない! 《《《

     No.46  2007/ 2/ 3  著者:福嶋隆史


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       No.46 子どもの健康を守れない教師たち

       ~ その3:給食を食べる時間は12分?! ~

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【 目 次 】「健康を守る」シリーズは、今回でいったん終了です。

(1)給食を食べる実時間が短すぎる!
(2)食べる時間が減ってしまう4つの原因

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(1)給食を食べる実時間が短すぎる!

 給食の献立は、栄養士らによって綿密に栄養を計算されて作られている。
 また、子どもが食べやすいように様々な工夫もなされている。

 保護者が負担する費用は1回につきほんの200円前後。
 たったそれだけの額で、おかわりもできる。腹一杯食べられる。

 ひと昔前に比べれば、味も一層おいしくなっている。
 レストランのメニューかと見間違うような内容も多い。

 しかし。しかしだ。
 どんなに栄養があり、おいしくて、たくさん食べられる給食でも、食べる
「時間」がなければ意味がない。
 その、ただでさえ短い「食べる時間」を、極端に短くしてしまう教師が多い
のだ!

 クラスによっては、毎日の給食で実際に食べる時間は12分程度…なんてい
うところもかなりある。全クラスを平均しても、15分がいいところだろう。
 当然ながら、食べる時間が少ないクラスは、食べ残しの量が多い。

 本来確保されるべきである子どもたちの健康が、こういうところからも崩さ
れていくのである。

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(2)食べる時間が減ってしまう4つの原因

 なぜ、実時間が12分しか取れないクラスが生じてしまうのか?
 原因は4つある。

《1》4時間目の授業を延長するから。----------------------------------

 延長すればするほど、配膳開始も「いただきます」も遅れてしまう。
 12時15分に授業が終わるはずなのに、23分くらいまで延長しているク
ラスはザラにある。
 その延長した8分間に何を指導しても、子どもたちの耳には入らない。
 どんなに賢くて我慢強い子でも、その8分間には苛立ちしか湧いてこない。
 すべての子どもたちにとって、「4時間目終了のチャイム」イコール「給食
開始のチャイム」なのだから。

 ちなみに私は、年間に実施される98%の授業を、きっかり時間どおりに終
えた。残り2%も、せいぜい2~3分の延長しかしなかった。ウソだとお思い
なら、子どもたちに聞けばいい。
 これは、すごいことでもなんでもない。当然のことなのだ。
(時間を守らない担任のクラスの子が、時間を守る子に育つことはない)

《2》給食当番を連れて行くタイミングが遅すぎるから。------------------

 これについては、バックナンバーに詳しく書いてあるので、ぜひお読みいた
だきたい。

《3》配膳の効率が悪いから。------------------------------------------

 教師というのは、とかく、何でも子どもにやらせないと気がすまないらし
い。それが教育だと思っているのである。
 しかしそれは、過剰な「自主性信仰」だ。
 やけどするような熱さのカレーうどんなどは、教師が配膳しなければ、時間
ばかりがどんどん過ぎていく。
 そこらじゅうにカレーの汁が飛び散って、拭いたりする時間が余計にかかる
こともある。

 私は、いわゆる「大きなおかず」は、基本的に教師が配膳するルールにして
いた。
 配膳する量の公平性のためでもあり、時間短縮のためでもある。
 教師が必要に応じて「手を出す」ことで、子どもたちの「食べる」という本
来の目的が達成されるのである。

《4》余計なお説教を差し挟むから。------------------------------------

 給食になると、多くの子はリラックスするから、おしゃべりが多くなる。
 これまた授業延長などのせいで中休みをまともに確保されていないクラスの
場合は、余計におしゃべりが増える。8時半から12時半までの4時間で溜
まった鬱憤を晴らさんとばかりに、急にしゃべりだす子もいる。
 いや、しゃべるのみならず、暴れる子もいる。

 そういう状況になると、教師のお説教が必然的に増えてしまう。
 やむをえない場面もあるだろうが、私は、よほどのことがない限り、クラス
全体に対して叱ったり説教したりしないことにしていた。意図的に、だ。

 その理由は2つ。
 第1に、子どもたちの「食べる時間」が減るから。
 第2に、「楽しい気分」が害されるから。

 給食は、多くの子どもたちにとって、1日の中の大きな「楽しみ」の時間。
 教室に張ってある献立表を見ては、「あ、今日のメニューおいしそう!」と
か、「早く食べたいな」とか言いながら、楽しみにしている子が多い。
 お説教は、そのような「楽しいひととき」を台無しにしてしまう。

 しかも、目の前にはおいしそうな給食が既に並べられているのに、「お預
け」状態にして子どもたちを黙らせ、5分、10分とお説教する教師が、かな
りいる。

 私は、一部の子がけんかしたりふざけたりしていても、その当事者だけをそ
っと廊下へ呼んで諭すのみにしていた。
 他の子には、「いいから気にしないで食べていなさい」と伝えた。
 これは、「まず集団を優先する」という、教師(=学級の統率者)に必須の
態度である。

 私が、給食時間を削ってまで学級全体を叱ったり諭したりしたのは、せいぜ
い年に1~2回だけだった。
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 私のクラスでは、平均して1回20分以上は食べる時間を確保できていた。
(それでもまだ短いと思うけれども)

 私が過去に勤務していた4つの学校すべてにおいて、私のクラスが給食室に
取りに行く早さは、95%以上の日において、確実に上位3位以内に入ってい
たと思う。
 とはいえ、別に、やみくもに早さを競っていたわけではない。
 そのくらい、給食時間を大事にしていた、ということだ。

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 初任の学校での着任式のとき、全校児童を前にして、朝礼台でこう話したの
を思い出す。
「先生は、2つの“きゅう”を大事にします。それは、給食と、休憩です」

 今思い出すと結構どんくさい挨拶だが、私はそれをずっと守り続けたのだ。

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