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      No.16  2006/7/19  著者:福嶋隆史

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         No.16 授業でパソコン、こう使え!

         〜私の活用事例“TOP-10”(その2)〜

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<目次>
◆ まえがき
◆ 本論 〜私の活用事例“TOP-10”(その2)〜
◆ あとがき
◆ 著者プロフィール
◆ 注
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◆ まえがき

 タイトルには「パソコン」と書いたが、正確には、パソコンも含めた「視聴
覚・情報関連機器」ということである。
 さて、今回は、いきなり本論。
(前号の続きである。まだお読みになっていない方は、バックナンバー等でお
 読みいただきたい)

 あ……そうそう。
 私の実践は、特に書いていない限り、すべて普通教室での実践である。
 パソコンルームで行ったものは、逆に少ない。
 普通教室で、普通の授業で活用することが、大事なのだ。

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◆ 本論

◇◇◇◇◇◇◇◇◆ 第9位 絵本を読むにも演出を ◆◇◇◇◇◇◇◇◇

 私は、討論の授業を行うことが多かった。
 クリスマスも近い12月のある日、「サンタクロースはいるか、いないか
?」という討論をした。
 2時間に及ぶ白熱討論になった。
(そのときの様子は下記の本に詳しく書いたので、ぜひお読みいただきたい)
http://www16.ocn.ne.jp/~wildcard/06-mysite-books.html#waza

 結局、いるかいないか、結論は出なかったが、それは織り込み済み。
「で、先生はどっちだと思うの?」
という子どもたちの質問に対し、私は用意していた絵本を読むことで答えた。

『くつしたをかくせ!』(乙一 著:光文社)
 この絵本には、サンタは登場しない。
 しかし確実に、その存在の“気配”が描かれている。

 絵本を読み聞かせるときは、普通なら、本を両手で開いて子どもたちに見せ
ながら読む。
 だが、これでは遠くの子にはよく見えない。
 角度によっても、わかりにくい。
 それに、そもそも、味気ない。

 そこで私は、「実物拡大機」を使った。
 さらにその映像をプロジェクターで最大限拡大し、スクリーンに映写。
 暗幕をしめ、電気を消し、絵本だけに白熱球のライトを当てた。

 これで、ミニ映画館(絵本版)の完成。
 寒い冬の教室が、ぼ〜っとあたたかくなった。
 こうしてぐっと雰囲気をもりあげておいて、絵本を読み聞かせた。
 子どもたちは、シーンとなって見入っていた。
 これ以上の読み聞かせ方法は、ほかにあるまい。

(それでも私は、「いる」とも「いない」とも答えなかったので、不満そうな
 子もいた。が、それもまあ、想定の範囲内だった)

 デール・カーネギーはその著書に書いている。
「現代は演出の時代である」
 教師は、授業のプロであると同時に、演出のプロでもなければならない。

 ちなみに、実物拡大機は、理科で細かな電気工作や実験をするときなど、手
順を示すのに非常に役立つ。役立つ、というより、不可欠だ。
(普段は、テレビ画面につないで表示すればラクだ)


◇◇◇◇◇◆ 第8位 テレビを録画し、拡大して映写する ◆◇◇◇◇◇
 
 NHKの教育番組を録画して、授業で使うことはよくある。
 理科などでは特に、使用頻度が高い。
 それを見せるとき、教室の隅っこに設置されたテレビ画面で見せるのは、
「普通の教師」だ。

 「進んだ教師」は、テレビ画面では見せない。
 ビデオデッキとプロジェクターを接続して、スクリーンで見せる。

 テレビでは、小さくて見にくいのだ。
 それに、子どもの座っている位置によっては、光が反射して画面がまったく
見えないことがある(カーテンをしめても、だ)。なのに、「見えません」と
自分から言い出せない子も多い。こういうことは、教師があらかじめ配慮しな
ければならない。

 また、さながら映画館風の画面なので、子どもたちは確実に集中する。(音
声も、プロジェクターを経由して大きくなる)
 暑い教室、寒い教室、周囲の音が気になる教室、お腹が減った給食前……
 どんなに集中力を削ぐ環境であっても、ミニ映画館と化した教室では、すべ
ての子が集中する。
 特に軽度発達障害の子にとっては、最適の環境だ。
 実際そのような子達は、スクリーンの前まで歩いてきて座り込み、食い入る
ように見上げていた(立ち歩いているとはいえ、集中しているのだから許容範
囲だ)。

 どの教室にも、スクリーンは設置されている。
 しかしたいていの教室では、1年中ホコリをかぶっている。
「あれ、なあに?」
 子どもは、巻いて吊るされている「それ」がいったい何なのかすら、知らな
い。
 それでいいのか?
 プロジェクターが学校になければ、自費で買うべし!
 ボーナスで買うべし!!
 10万程度で、すぐ買える。
(ただし、買うのなら、光度(ルーメン)の高いものがおすすめ。明るい教室
 でも、カーテンなしで映写できる)


◇◇◇◇◇◆ 第7位 インターネットの「動画サイト」活用 ◆◇◇◇◇◇

「インターネットランド」をご存知だろうか。
 検索サイトで「インターネットランド」と入力すれば、トップに出てくる。
 まずは、そちらをご覧いただきたい。

 これは、最先端の教師たちが作成したHPを集めた、日本最大・世界最大の
教育ポータルサイトである。
「授業方法」「授業記録」「学習ゲーム」「映像資料」その他、あらゆる情報
がつまっている。
 とりわけ注目すべきは、パソコン関連の専門家しか使わないような、FLASH
やDIRECTORといった動画ソフトを駆使したサイトが、多数集められている点で
ある。
(しかも、すべて教師のボランティアで作成されている)
(私も、授業方法のHPを登録している)

 これを活用するとしないとでは、子どもたちの学習意欲から成果にいたるま
で、大きく変化する。
 私は、算数でよく活用していた。
 もちろん、パソコン、プロジェクター、スクリーンを使って、普通教室で
行った。

 たとえば、円の面積がなぜ「半径×半径×円周率」なのか。
 教科書には、円をバラバラに分解して長方形に組み合わせると分かる、その
原理が図示されている。
 しかし、あくまでもイラスト=“静止画”だ。
 動画にはかなわない。

 あるサイトでは、アニメーションで理解できるようになっている。
(「漫画」の意味のアニメーションではない)
 まず、円が細かく切られて、円の中心を頂点とした、いくつもの“とんが
り帽子”のような図形に分解される。(まるいピザを切る様子を想像してい
ただきたい)
 だんだんと、位置が変わり交互に組み合わされ、長方形の形に近づいてい
く。
 そのうち、半径が長方形の「縦」となり、円周÷2が「横」となる。
 そして、下記のような式が、動画と同時に、段階を踏んで画面に現れてく
る。

 縦×横
=半径×(直径×円周率)÷2
=半径×(直径÷2)×円周率
=半径×半径×円周率

 まあ、文章ではわかりづらい。
 とにかく、インターネットランドを見てほしい。
 「円の面積」のキーワード検索ですぐ見られる。

 算数では、ほかに、はかりの目盛りを読む動画サイトなどが非常に役立っ
た。

 ほかにも、社会科の地図記号クイズ、地図記号の成り立ち、漢字の成り立ち
など、面白い動画は山ほどある。とにかく、山ほどある。山ほど。海ほど。
 これらを、日常的に、普通の教科で活用する教師の授業と、そうでない教師
の授業と。
 どちらが、子どもにとって分かりやすいか。理解しやすいか。
 どちらの授業が、面白いか。
 どちらの先生を、子どもが好きになるか。
 分かりきったことだ。


◇◇◇◇◇◆ 第6位 子ども自身の姿を写真と映像で見せる ◆◇◇◇◇◇

 社会科見学、遠足、宿泊体験。あるいは、日常の授業の様子。
 私はいつもデジカメやビデオを持ち歩き、それらを記録していた。
 そして「復習」「振り返り」を兼ねて、それらをよく子どもたちに見せた。

 清掃工場見学。学年での遠足。宿泊体験でのカレー作り。……
 バスケットボールの試合。体育館で行う書初め。……
 授業参観のようす。
 音楽会のリハーサル。本番。
 あるいは、百人一首の試合。
(私の百人一首の取り組みについては、HPに詳しい。
http://www16.ocn.ne.jp/~wildcard/06-mysite-sokuseki.html
 その実績は半端じゃないので、ぜひご覧あれ)

 そういった、様々な場面での写真やビデオ映像を、子どもたちに見せた。
 子どもたちは、自分が画面に登場するだけで、照れ笑いしたり、喜んだり、
もう盛り上がりまくりだ。
 普段笑顔を見せない子も、つい笑顔になる。

 ところどころで止めて、その場面での学習を振り返る言葉を投げかける。
 これほど効果的な「振り返り」学習は、ない。
 そもそも、子どもが自分自身を客観的に見られるのがいい。

 行事のあと、よく「作文」を書かせることが多い。
 しかし、何も書けない子がいる。
 国語力不足に起因する場合は別問題だが、単に題材が思い浮かばないという
子も多い。
 そういう子には、こういった映像が、非常に役に立つ。
 映像を見せた後で、「さあ作文書いてごらん」と言うと、すんなり鉛筆が動
くものだ。

 また、これらの写真や映像は、保護者会でもよく活用した。
 というより、保護者会前には、私は必ず映像を準備した。
 授業参観ではあまり見せられないような授業の様子を、普段からちょこちょ
こ撮影し、それを保護者会で「上映」するのだ。

 だいたい、合計で20分。
 あとで編集しなくていいように、ここぞという場面で、1〜2分ずつ撮影し
映像をためておく。

 上映については、学級通信等で、保護者会の1〜2週間前ごろに予告する。
「当日は、普段見られないお子さんの姿を上映します。ぜひお越し下さい」

 これくらいの準備や工夫もせずに、
「保護者会って、全然親たちが来ないから、やっても意味無いわよね」
などと言っている教師は、単なる怠け者である。

(ちなみに、写真の映写はパソコン経由でプロジェクターを使用。
 ビデオは、デジタルビデオを直接プロジェクターに接続)


◇◇◇◇◇◆ 第5位 ブラインドタッチを身につけさせる! ◆◇◇◇◇◇

 ここからは、次号で。

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◆ あとがき

 教師の方々には、「目からうろこ」だったかもしれない。
 しかし、誰だってこのくらい、できるのだ。
 早速9月からやれるように、この夏休みに、ぜひ準備していただきたい。
 まずは、プロジェクターを買うこと。
 なければ、ノートパソコンも買うこと。
 デジカメや、デジタルビデオも買うこと。
(どれも、学校の備品じゃダメだ。教室に常備するわけにはいかないから。)
 そして、インターネットランドを調べること。
 教室でもインターネット接続できるよう、AirHなどを契約すること。

 すべては、子どもたちの目を輝かせるためだ。
 想像してほしい。
 自分のクラスの子が、9月の最初、「なにそれ〜!?」とわいわい言いなが
らプロジェクターを取り囲む姿を。

 夏休みが明けて、「あ〜あ、また学校だ」と思っている子どもたちに、スペ
シャルな「モノ」を用意するという、「粋」な教師になっていただきたい。

 思えば、私がプロジェクターを買ったのも、8月だった。
 そして、9月初日から、子どもたちの目は輝いた。
 懐かしい思い出だ。

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 小学生の保護者の方々は、担任の先生がこういうことをしてくれたらなあ、
と思うだろう。
 あきらめず、アプローチしてみてはどうか。
 このメルマガを紹介して、担任に読んでもらってもいいと思う。
(そういう目的ならば、印刷譲渡も許容範囲です。ぜひどうぞ)

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