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小学校教育が危ない! TOP

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      No.15 ホコリだらけのパソコンルーム

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<目次>
◆ まえがき
◆ 本論
(1)パソコンを始めとする視聴覚情報機器が、いかに使われていないか
(2)使えば、子どもの集中力は格段に上がる!
   〜私の使い方事例“TOP-10”(その1)〜
◆ あとがき
◆ メルマガ相互紹介コーナー
◆ 著者プロフィール
◆ 注
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◆ まえがき

 次の例は、私が実際に出会ってきた教師たちの実像である。
 ただし、作り話も入っている。
 実話(○)と作り話(×)とを、見分けていただきたい。

1……「パソコンは敬遠するよ。ワープロさえあれば何とかなるよ」
2……「パソコンは持ってるけど、家では、インターネットは接続してない
    ね。インターネットなんか見てるより、テレビ見てる方が楽しいよ」
3……「キーボードって、触ったことないの。私、マウスしか触れないの」
4……「デリートキーって、何? エンターキーって、どこ?」
5……「フロッピーに保存するときって、どうやればいいの?」
6……「え? 携帯からパソコンにメールを送ったりできちゃうの?」
7……「インターネットショッピングなんて、怖くてやったことない」
8……「ローマ字入力なんてできないわ。平仮名を1つ1つ見ながら打つんだ
    から、(職員室のパソコン)平仮名変換のままにしておいてよ〜」
9……「あれ〜? なんだか動かなくなっちゃった」
   「それ、フリーズって言うんだよ」
   「え、なに? ふり…不利伊豆?」
10…「ワードなんて使ったことない。一太郎しか使えないのよ私」

 答えは本論で。

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 ところで、小泉政府の「e-japan戦略」というのをご存知だろうか。
 平成13年1月に打ち出された方針で、17年度末までに、日本中すべての
学校のすべての普通教室に、パソコンとインターネット環境が100%整備さ
れるはずだった。
 だが、先日の報道によれば、奈良県の18.9%を筆頭に、東京、神奈川、京
都、大阪など大都市圏でも、整備済み学校数の比率が非常に低いらしい。

 嘆かわしいことだ。
 しかしそもそも、「教師がパソコンを使えない、使わない」という実態があ
るからこそ、なかなか整備も進まないのではないだろうか。
 教師が、もっと積極的に仕事でパソコンを使い、パソコンを使って授業を
し、また子どもたちにパソコンを教え続けていかなければ、現状は一向に改善
されないだろう。政府だけの問題ではない。
 今回は、その現状と、「こんなことができる」という事例(その1)をご紹
介したい。

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◆ 本論

(1)パソコンを始めとする視聴覚情報機器が、いかに使われていないか

 さすがに、「パソコンルーム自体がない」という学校は見かけない。
 だが、多くのパソコンルームはホコリだらけ。
 ほとんど使用されていない。
 また、ホコリすら積もらない、開かずの部屋?になっている学校もある。

 もちろん、積極的に使用しようとしている学校もあるにはある。
 校長の鶴の一声?で、壁を壊して未使用教室2つをつなげ、広いパソコン
ルームに改造した学校もあった。その学校では、予算を駆使して新しいパソコ
ンを何台も購入し、カリキュラムにも情報教育をしっかりと位置づけた。
 だが、そのような学校はやはり少ない。

 多くの教師が、「まえがき」クイズのような状態だからいけないのだ。

 そこで、さきほどの答え:
1……○  20年くらい前の、白黒液晶1行表示のワープロ愛用者。
2……○  なんと20代男性教師。ネットは見るものと思っているらしい。
3……×  これは、まあ作り話。
4……○  基本操作すべてを、質問してくる。講習料もらいたくなる。
5……○  方法が分からず、すぐMy Documentsに保存してしまう人。
6……○  インターネットを理解していない。
7……○  これは、まあ居てもおかしくないが……時代遅れだね。
8……○  ローマ字入力が圧倒的主流なのに、日本人たるを主張する。
9……○  フリーズを知らない人。結構いる。強制終了の仕方も知らない。
10…◎  教師は、一太郎を使っている人が結構多い。だがもちろんシェア
      は今やワードが主流。担当している校務の「去年のデータ」が一
      太郎で作られていると、ワード派の自分としては、非常に困る。
      最初からデータを作り直すことになってしまうのだ。ワードにデ
      ータ変換しても、すぐには使えないし。

 さて。予想外に○が多かったので、驚かれたのではなかろうか。
 3の×も、もしかしたら○の人が居るかもしれない。
 マウスしか触ったことのない人。

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 ここまでお読みになって、こう思われた方もいらっしゃるだろう。

「福嶋は、パソコンを使うことそれ自体や、操作技能ばかりに注目している。
 そんなことより、ICT(インフォメーション・コミュニケーション・テク
 ノロジー)としての活用方法や、メディアリテラシーの分野への応用を論じ
 なければ、意味が無い」

 いやいや。
 そんなことは、重々承知である。
 だが、それを語っていたら、新書1冊分の文章量になってしまう。
 まずなによりも、操作できなければ話にならない!
 まずなによりも、使ってみなければ始まらない!
 私はとにかく、そこに焦点を当てたいのだ。

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 問題は、パソコンだけではない。
「視聴覚情報機器」とその周辺には、いろいろな物がある。

 テレビ。VHSビデオ。デジタルカメラ。デジタルビデオ。ラジカセ。
 MD。CD−R。CD−RW。DVD。MP−3。
 プロジェクター(拡大映写機)。実物拡大機。
 OHP(オーバーヘッドプロジェクター)。
 そして、最新のところでは、スマートボード(商標)等の「タッチパネル式
映写システム」(NHKの気象予報士が使っている物とよく似ている)。

 わたしは、これらすべてを扱えるし、そのほとんどを、授業でも扱ってき
た。学年を問わず。
 これらの中には、e-japan戦略停滞の影響を受けてか、学校に無い物・足り
ない物が、いくつもある。
 だから私は、私費で購入した。
 目の前の子どもたちが情報機器を活用した授業を受けられず、数年後の子ど
もたちは受けられる。
 そんなの、今の子どもたちが可哀想ではないか。
 教師にその力量があるならば、なおさらもったいないし、可哀想だ。

 だから私は、ノートパソコンに20万、デジタルビデオカメラに10万、デ
ジタルカメラに5万、プロジェクターに15万をかけて、授業にフル活用し
た。(今買えば、どれももっと安い。が、数年前はこんな値段だった)

 しかしまあ、こういった物をすべて扱えなければいけないとは言わない。
 でもせめて、このうち半数くらいは、「使えますよ」と涼しい顔で言えなく
ては、教師としては失格だ。
 いや、ほんと、失格なんだ。
 今や、基礎学力は「読み・書き・そろばん」だけじゃない。
 そこにはとっくに、「パソコン技能」(と英会話)が加わっているのだ。

 まず、技能。
 使えなければ、どうしようもない。
 次に、授業に導入する方法。

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(2)使えば、子どもの集中力は格段に上がる!
   〜私の使い方事例“TOP-10”(その1)〜    (その2は次号で)

 パソコンルームを使っている授業を、まったく見ないわけではない。
 でも、その半数以上は、「一太郎スマイル」で遊ばせているだけだ。
 そのほとんどが、お絵かきだ。
 確かに「遊んで親しむ」ことは大切だが、どの授業もそれでは、授業時間が
もったいない。

 以下、私が過去に行った、視聴覚情報機器の活用場面をご紹介する。
 数が多いので、今回は触りの部分のみ。
 あとは、次号で詳しくご紹介する。

〜〜〜〜〜〜私の使い方事例“TOP-10”(その1)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

順位は、効果の大きさを示す。

◇◇◇◇◇ 第10位  Microsoft Word で“板書” ◇◇◇◇◇

 学級会(学級活動)で、係活動などの様々な役割決めを行うことは多い。
 そのとき、私は板書ではなくWordを活用した。
 係の名称一覧をワードに入れておき、プロジェクターで拡大表示しておく。
 子どもは、スクリーンに映し出された名称を見ながら、希望の係を考える。
 教師は、係が決まった子の名前を、どんどん入力していく。板書は無し。
 入力と同時に、それはスクリーンに映し出される。
 もし、途中で新しい係を子どもが考えた場合は、それを挿入するのも簡単。

 この「PC板書」のメリットは4つある。

 1……とにかく速く済む。消すのも、書くのも、あっという間。

 2……映像機器を使うことで、子どもの集中力がぐ〜んと高まる。
    これは、「第1位」まで全部に言えること。
    要するに子どもも「光りもの」に弱いのだ。大人と同じ人間だから。
    キラキラ映写されているというだけで、集中力が格段に高まる。
    特に軽度発達障害の子には、最適の環境だ。
    どんなに散漫だった時にも、映写の途端にピタッと視線が前を向く。
    (入力時の変換ミスなどで笑いが起こるのも、ひとつのお楽しみだ)

 3……そのデータをそのまま、教師が「管理」に流用できる。
    たとえば、それをそのまま印刷・拡大して教室に掲示すれば、「係分
    担表」が完成。授業中に、きれいな表を作れてしまうわけだ。放課後
    にマジックで書く必要はない。また、通知表で係活動の評定をつける
    ときにも、この一覧データが役立つ。

 4……教師が、常に子どもの方を向いていられる。
    ノートパソコンの画面を見つつも、子どもの方を見られる。
    板書では、そうはいかない。

 板書は教師がやってしまう、なんて書くと、こんな声も聞こえてくる。
「学級会では、板書記録は子どもに書かせるべきじゃないのか」などと。
 でも、それは本当か? なんのために?
 記録係(書記)は、ノートに書いておけば十分だ。
 字が小さくて細かい子、あるいは字が乱雑な子が、何度も黒板で書き直して
いる間にも、授業時間はどんどん減っていくのだ。
 
 子どもに「学級会」を「すべて預ける」のも大切だろうが、時間枠は限られ
ている。スピード重視。他の教科の時間を削らないための工夫だ。
 すべての「学級会」で子どもに板書させる必要なんてない。
 また、子どもに板書経験を積ませたいのなら、国語や算数、その他普通の教
科でいくらでもできる。
 私は、そのようにしてきた。

 むしろ学級会の書記は、低・中学年のうちはすべて教師がやったっていい。
 だからこそ、ワードである。


◇◇◇◇◇ 第9位 絵本を読むにも演出を ◇◇◇◇◇

 ここから先は、次回書く。

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◆ あとがき

 このメルマガをお読みの皆さんは、パソコンをそれなりに活用して生活して
いらっしゃる方々だろうから、今回の批判の矛先からは免れたことと思う。
 次回も、安心して?お読みいただきたい。

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