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        》》》 小学校教育が危ない! 《《《

        No.8  2006/5/24  著者:福嶋隆史

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    No.8 学校安全 〜教師は警備員の視点を持て!〜

    [1]「あやしい」と思ったら、すぐその場で引き止めよ

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<目次>
◆ まえがき
◆ 本論
◆ あとがき
◇ わかる!“業界用語”解説……PISAに見る「読解力低下」
◆ 著者プロフィール
◆ 注
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◆ まえがき

 子どもたちの安全がおびやかされている。
 子どもたちの命が危ない。
 多少過保護になろうとも、大人が行動しなければ子どもの命は守れない。

 今回は、「教育」に直接の関係はないかもしれないが、「子どもの安全確保
のために、大人(特に教師)に何ができるのか」を論じたい。

*****

 極端な話、ヘリで学校の上空から不審者がやってきて校庭に降り立ったとし
たら、それを防ぐ手段はほとんどない。
 ふざけているのではない。
 結局はそういうことだ。
 門がオートロックだったとしても、乗り越えられる高さならば意味がない。
 実際、学校の門はおしなべて低い。
 城壁みたいに高くすることもできるはずだが、そうもいかないのだろう。
 また、ちょっとした植え込みを乗り越えれば入れる学校もある。

 要するに、殺意を持って子どもに迫ってくる犯人を完全に防ぐことは、残念
ながらできない。
 ただし、完全には防げないが、危険性を減らすことはできる。
 いかにして減らすか。
 いかにして少しでも安全性を高めるか。

 それは、教師の「子どもの命を守るぞ」という覚悟ひとつにかかっていると
私は思う。

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◆ 本論

 私は、警備員のアルバイトを3年間やっていたことがある。
 ビル警備から雑踏警備まで、幅広く仕事をした。
 アルバイトとはいえ、私は多くの現場でリーダーだったし、正社員と同じ仕
事を分担したことも多かった。
 そんな警備員時代に培った「視点」は、教師のときにも大いに役立った。

 教師は、1人1人全員が、警備員の視点をもつべきだ。
 今は、そういう時代だ。

 さて、今やほとんどの学校で、学校に入るときには、名札を着用することに
なっている。
 不審者と見分けるためだ。
 首から下げるタイプのものが多い。
 「保護者」「教師」「来校者」などが分かるようになっている。

 しかし、これ、本当に意味があるのか?

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(1)多くの人は、名札を「見て」いない!

 保護者はもちろんだが、教師でさえ、名札をちゃんと見ている人は少ない。
 「視界に入っている」のと「見ている」のとは違う。
 要するに、身につけていなくてもバレない。

 また、首から下げる式の名札は、裏にひっくり返ってしまうこともある。
 でも、それを気に留める人は、いない。

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(2)名札は、名札であって名札ではない!

 「保護者」なんていう表記だけで「名札」だと言えるだろうか?
 「山田太郎」とフルネームを大きく書かなければ、それは名札だとは言えな
い。
 第一、多くの場合は画用紙に印刷しただけの物だから、誰でも「偽造」でき
てしまう。
 殺意を持った犯人が、保護者の風貌で「保護者」という名札を下げて入って
きたら、どうするのか。
 おそらくは、見抜けまい。

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(3)名札をつけていなくても、多くの教師は引き止めない!

 引き止めるのは、もちろん教師の役割だ。
 しかし、引き止める教師は居るだろうか?
 おそらく9割以上の教師は、引き止めない。

 教師が、名札をつけていない「誰か」とすれ違った場合……
 3割の教師は、名札をつけていないことにすら気づかず「素通り」する。
 3割の教師は、「あれ?」と思っても、引き止めない。
 3割の教師は、「こんにちは〜」と声をかけてみるが、引き止めるほどのこ
とはしない。

 かく言う私も、忙しいさなかには、「あれ?」ということがあった。
 たとえば怪我して流血しているという子どもの所へ急ぐ途中、「あまり怪し
くない、普通の風貌の人」とすれ違っても、なかなか行動できないものだ。

 しかし、普段は、できる限り引き止めるように心がけていた。
「あの、失礼ですが、どちらの方でいらっしゃいますか?」
 このように声をかける。
 警備員時代に無数にやったので、違和感無く行動できる。

 もし、結果的にそれが保護者であったとしても、
「ああ、○年の○○さんの保護者の方でしたか。失礼しました(笑)」
で済む。
 そのとき、その保護者はどう思うだろうか?

A……「なによ、この先生。保護者を不審者扱いして、失礼な人ね」
B……「ああ、この先生は、ちゃんと危機意識を持ってくれているなあ」

 たとえAと思っても、やっぱりBで落ち着くのが筋だろう。

 特に、4月はこのような場面が多くなる。
 とりわけ新しく赴任した教師にとっては、すべての保護者が初対面。
 だからといって、
「あ、今の人、名札つけてなかったな。保護者かな……たぶん保護者だろう」
という姿勢であっては、いけないのだ。
 堂々と、引き止めなければならない。
 そうすることが、保護者の名前を知るきっかけにもなるのだから。

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(4)名札をつけていても、引き止めることができるか?

 名札をつけていたからといって、犯罪者ではないと決まったわけではない。

 学校には、多くの人が出入りする。
 特に業者関連。
 教材の納品業者、校舎の工事関係者、放送機器の修理の業者、給食の納品業
者、セールス業者……
 数え上げたらきりがない。
 それらの人は、ほぼ例外なく「名札」を着用している。
 しかも、ちゃんと安全ピンで胸に止めている。
 それに、仕事上の制服を着ていることが多い。
 だからつい、安心してしまう。

 教師には予め、「今日はどこそこの業者が何時ごろ学校に来ます」と打ち合
わせで管理職から知らされることが多い。
 それでも、すれ違った相手がどこの業者かわからないのならば、やはり引き
止めるべきだ。
「失礼ですが、どちらの方ですか」
 そう言って立ち止まらせた瞬間に、さりげなく名札を読む。
「○○サービス会社 ○○部 山田太郎(○○担当)」
 業者が身につけている名札は中身が細かいので、そうでもしないと読めな
い。

 まあ、教師が率先してこのくらいの努力をしなければ、安全確保は遠い。

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◆ あとがき

 今回は、名札特集?だった。
 長くならないよう、ここで終わりにする。

 次回は、トランシーバー特集?だ(あくまでも予定だが)。
 私は、自前のトランシーバーを2台購入して、学校内外で活用し、子どもた
ちの安全確保に務めた。
 どのように活用したのか。
 また、どのような活用方法が考えられるのか。
 次回、明らかにしたい(予定)。

 …もちろん、トランシーバーが学校の備品として置いてある学校もある。
 しかし、ほとんど使われていない。
 一方、警備員をやったことのある(見たことのある)人ならすぐ分かるだろ
うが、彼らは常にトランシーバーを持っている。
 私は、警備員時代、大小2つのトランシーバーを携行して仕事をしていた。
 無論、警察官も無線を持っている。
 はっきりいって、トランシーバーなくして安全確保なし、だ。
 だが…
 私は複数の学校でトランシーバーを活用した安全確保を提案したが、却下さ
れた。(アイデアを認めてくれた人もいたが)

***********

 ところで、このメルマガは、誰を読者対象にして書いているのだろうか?
 それは、主に教師と保護者(親)である。

 教師は、このメルマガを読んで、身を引き締めていただきたい。
 特に私より年輩の先生方は、「こんな若造に言われて悔しい」といって無視
せず、逆に奮起していただきたい。

 保護者の方々は、「ふ〜ん」で終わらせず、「そうだよなあ!」と膝を打っ
たならば、その内容を学校や教師にどんどん伝えていただきたい。
 保護者が動けば、学校は変わる。
 教師だけでは、なかなか変わらない。

 学校が変わるということは、子どもが変わるということだ。

 教師や保護者以外の方々も、ぜひ、何か行動を起こしていただきたい。
 学校や教育委員会に要望書を書くもよし。
 このメルマガを、知り合いの教師に伝えるもよし。
 このメルマガを、教職志望の高校生や大学生に知らせるもよし。
 このメルマガを、まぐまぐの「読者の本棚」で紹介するもよし……
 (な〜んて、さりげなく宣伝のお願い……)
 (>_<);

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◇ わかる!“業界用語”解説……PISAに見る「読解力低下」

 安全確保とは関係ないが、第5号の補足。
 第5号でも書いたが、昨今「読解力低下」が叫ばれている。
 確かに低下していると私は思う。

 ただし、最近のニュースで書かれている「PISAの調査」における「読解
力」は、私たちが知っている「読解力」とはちょっと違った観点で測定されて
いる。
 たとえば、「文章を読む」ことだけでなく、「図や表を読む」ことも読解に
含まれている。

 詳しくは、下記を見ていただきたい。
 文部科学省のHPである。
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku/siryo/05122201.htm

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